得体の知れない何かに疲れたあなたは、部屋の中で一人きり。

目線の先には、まだ一度も読まずに放置されている文庫本の山がある。

ただ今は本を開き、活字を追う気にはなれない。

​……誰か、読み聞かせてくれないかしら。

思い立ったが吉日、あなたは同人音声サークルを立ち上げ、朗読作品を創ることを決意。

「お金がないから、シナリオは青空文庫にしよう」

 “少額なのでリテイクは無し”という条件で声優を募集したところ、「１８人」が集まってくれた。

他職業に就きながらも声優志望の彼らは

プロ級の実力を持っているにもかかわらず、劣悪な宅録環境を持つ猛者達だった……。